屏風は古くから実用的な調度として、また絵画などの芸術作品および装飾芸術の表現媒体として発達してきました。そして今日、屏風は用途により大きく防風用・防寒用・間仕切用・儀式用・背障用・道具用といった実用的なものと、純粋な装飾用のものとに類別することができます。この屏風の最大の特長は、大画面の作品の連続性を維持したまま表現でき、しかも好む場所に移動して使用できるところです。
当社での屏風に関わる仕事からいえば、舞台や式場における背障用や儀式用屏風の、また風炉先屏風や香屏風といった道具用屏風の修理・新調の他に、ご自身でなされた刺繍や染織作品といった工芸品を屏風に仕立てる需要も大きいものがあります。 『屏風は大層なもの』といった認識もあるようですが、特に小ぶりの屏風は現在でも洒落た小道具としてその特性を遺憾なく発揮しています。